2011/06/22

夏至。

毎年6/20あたりになると僕の心はそわそわしてきます。

ゲシゲシゲーシ......と歌いたくなるこのフレーズ....。

そう、夏至です。

フランスでは、geshi no hi niha fete de la music ....夏至の日にはfete de la musicが行われます。
直訳すると音楽祭。
本当の意味はというと、やっぱり音楽祭です。

この日は街中の至る所でライブセットやdjブースが並び、夜中まで音楽が街を包みます。

穏やかに、、、なんてもんじゃなく、激しく。

マイケルをかき鳴らすおっちゃんだったり、レディオヘッドを弾く消防隊だったり、品のいい公園では品のいいクラッシックが響き、マレ地区ではお決まりのテクノが爆音で走り、日本だったら確実に売れるであろう男前の集う子供バンドがベックを歌い、

僕らは一度でいいからブルーハーツのライブをしたかった、、、。


そう、今、激しく、文句無く、懐かしがってます。。

仕方ないので、僕は、奇跡的に天気の良くなった東京で、ヨーロッパの夏至に嫉妬しながら、お決まりのbob dylanに洗濯機の音をmixさせ、ひとり、音楽祭をスタートさせます。





2011/06/19

ロング・グッドバイ


ある男に押さえつけられ、その女に脇腹をハサミで切られた。
ナイフではなく、何故だかハサミで。
何もない僕の脇腹はブツンという嫌な音と共に、嫌な痛みが走る。

ショッキングな始まりであるけど仕方がない。

僕は脇腹を切られ、どう思い返してみても思い出せない2人の男女を相手にしている気分ではなかったので、その場を去る。

白いシャツに滲んでいる赤い血を隠すように手で塞ぎ、ホールデン・コールフィールドがやったように、周りに怪我を負っている事を気づかれないように、けど足取り重く、体を少し傾け、先へと進む。

頭の中ではbob dylanが歌い続ける。

やっとの事で家に戻り、バーボンのかわりに消毒液で消毒をした僕は、沖縄に行くためにトノを抱え飛行場へ向かう。
飛行場に行きチケットを受け取るところである事に気がつく。
トノ以外、何も持ってきてなかった。。
何故だかリンゴを齧っている僕は、頭の中で流れるbob dylanと、読みかけのロング・グットバイのおかげで、ハードボイルドな思考で物事を考える事に成功して、何事もなかったようにチェックインを済ませる。

無いものは買えばいい。

数分後、僕は、やっぱり全てを忘れた事に対して、不必要に必要なものを買わなくてはいけないことに、ハードボイルドになる事を諦めうんざりする。


結局のところ僕は目が覚める。



また夢を見た。

2011/06/10

wallflower-2



もしもし

...

もしもし

......


やぁ、君か。
今日はどこからかけてるんだろう?
と言っても、何も答えてはくれないだろうけど、、、

.......


ところで、君はどこにかけてるか知ってるのかな?

........

知らないよね、きっと。
テレビ電話でもスパイ電話でもないんだから。

オーケー。
今日はまだ眠くないから、少し僕の居場所について説明してもいいかな?


.......


うん、じゃぁ始めるから、、切らないでね。

えーと、まず白い扉。
これは大正時代の銀行の扉を使ってるんだ、白く塗ってしまったけど、なかなか存在感のある扉でしょ?
扉を開けると、ヘリンボーンに貼った床板が敷き詰めてあって、、、って、これを張るのが一番大変だったんだ、、、というのはウソだけど、僕が張った訳じゃないからね、、あくまで推測すると、、だけど。

コホン。

それから目の前に見える洋服のかかったラック。
あまり言いたくはないんだけど、実はこれ、古い電車の荷物棚でつくったんだ。
見えないでしょ?

あっ、見れないか、ごめん。。

そしてラック一面にかかってる生成りの洋
服たち。

ここに入ってくる人や、外から覗く人がキョトンとするんだけど、実はこれ、サンプルなんだ、
でね、一番奥にある大きな扉、、(実はこの場所をつくる時に一番最初に考えたんだ、壁一面の大きな棚を。)を開けると、ほら、いろんな生地が入っている。
僕のオリジナル生地や、パリで見つけたヴィンテージの生地だったり、イタリア、スイスで買い付けた生地、それにこの場所の為に仕入れた生地なんかが入ってるんだけど、
この中から好きな生地を、、ここが重要なんだけど、、お客さん本人に選んでもらうんだ、、

....

ん?難しい?

うん、きっと難しいだろうね。

でもね、元々服って、着物の時代から生地を自分で選んでいたんだよ、
それが洋服の文化の定着で、生地を選ぶという感覚は退化しているかもしれない、
けど、感覚はきっとまだどこかで眠ってるんだ、スヤスヤって、だから僕は眠りすぎた感覚にそっと目覚まし時計をかけてあげたいんだ。

うん、と言っても、難しいと思う。
でも自分のために選ぶんだ、きっと楽しいはずだよ。

そう、楽しいんだ。
楽しませたいんだ、だから僕は、、これは来た人にだけの秘密なんだけど、、プロジェクターで生地の柄を投影させて、、、



もしもし、、、聞いてる?


.....


ありがとう。
話しすぎたね?
もうやめておくよ、きっと君にもここがどうい
う所か分かったと思うし、続きは君がここに来て直接体験すればいいと思うし、僕も直接話しをしたいから。

もし本当に君がこの話を聞いて来てくれたとしても、当然だけど、僕には君が誰だか分からない、、あっ、そうだ、もしこの場所に来る時には胸に を付けてきてくれれば、僕は気づかないふりをして、君とまた長い話をするよ。


きっと来てくれるよね?
僕は来週の月曜日、つまり6/13までココにいるから。


今日はもう寝るよ。
明日も同じ時間かな?
最近ちょっと寝不足だから、明日は休んでもらえると嬉しいな。

.....


きみも夜は寝た方がいいよ。

.....


おやすみ。





wallflower by jun okamoto
熊本県熊本市上通町3-21
096-223-5642